2006年4月から一部施行、同年10月から全面施行。対象者は、身体・知的・精神の各障害者(18歳以上)及び障害児(18歳未満)。給付内容は、ホームヘルプサービス、ショートステイ、入所施設等の介護給付費及びリハビリテーション、就労移行支援等の訓練等給付費、心身障害の状態軽減を図るための自立支援医療など。
国が基本指針を、市町村・都道府県が障害福祉計画を定めることや、市町村・都道府県による地域生活支援事業の実施を規定している。
本法の特徴は、
(2)障害者の就労支援の強化、
(3)空き教室、空き店舗の転用を含めた地域社会資源活用の規制緩和、
(4)「障害程度区分」による、サービスの利用手続きや基準の明確化、
(5)サービス利用における利用者1割負担、食費の実費負担、
(6)国の財政責任の明確化。
介護保険制度と同様に利用者が市町村にサービス利用申請を行い、市町村審査会が障害程度区分を判定、利用サービスや頻度が決定する。施行前から懸念され、施行後も大きな議論となっているのが、サービスの利用者負担(所得に応じ上限あり)と障害程度区分の認定である。
サービス利用の上限や、日常的に利用している施設の利用料発生で、通所を控え自宅から出なくなる障害者が続出するなど、本法の趣旨とは逆の社会参加を阻む影響が指摘されている。10月からの施行に当たり、一定の上限額を超える利用料の減免など、利用者負担の軽減策を打ち出す自治体も出ている。
政府は、08年度からの「障害者重点施策実施5カ年計画」の中で障害者に福祉サービス利用料の原則1割負担を求めた同法の抜本的見直しを明記し、厚生労働省の08年度予算案では「障害者自立支援法の抜本的見直しに向けた緊急措置」として予算案が盛り込まれている。
(中谷茂一 聖学院大学助教授 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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